オーバーツーリズムに対する自治体の取り組み

訪日外国人の数が増加している。これにより、一部の観光地ではオーバーツアリズムの問題が発生しており、地元住民が悩まされている。このような事態に対して、2019年10月26日に北海道で開催されたG20では、「訪問者と地域社会双方に恩恵のある観光のマネジメント」の達成を目指すことが宣言された。

観光庁はオーバーツアリズムの問題を受けて、「持続可能な観光推進本部」を設置し、自治体へのアンケート調査等を行った。その結果検討された今後の取り組みの方向性については、こちらのウェブサイトに掲載されている。

ここでは、具体的にどのような課題が生じており、自治体がどのように課題に取り組んでいるかを紹介する。次の通りである。

1.生じている課題(代表的なもののみ)
・観光客によるトイレの不適切な利用
・観光客による住宅地や公共の場へのごみ投棄
・観光客のマイカーや観光バス等による交通渋滞
・観光客(数)の季節変動が大きいことによる観光従事者の雇用の不安定さ

2.課題に対する対策の状況(代表的なもののみ)
・マナー・ルール周知のための広報(ポスター等)
・レンタサイクルの活用
・都道府県等と連携した、県内や広域的な観光客分散の取り組み
・観光を通年化するためのオフ期におけるイベント・誘客
・条例の制定(自然公園条例、文化財保護条例など)

上記のように、トイレの不適切利用やごみ投棄については、ポスターの掲示が有効だろう。加えて、ポスターが見てもらえないことも想定されるので、監視員を設置してマナー違反を取り締まることも有効だろう。

次に交通渋滞については、上記のようにレンタサイクルを活用することが有効だろう。ただし、多くのレンタサイクルが歩道に放置されることにより歩行者の往来が阻害されることも考えられため、観光客にはマナーを守ってもらう必要があるだろう。

最後に、観光客数の季節変動によって従事者の雇用が不安定になるという問題は、従事者の生活に関わることであるし、不足する時期に代わりの従事者を手配することは経営者にとって負担である。そのため、緊急性が高いだろう。そこで、ピークを分散するために、上記のような、オフ期におけるイベント・誘客が有効だろう。オフ期における誘客の具体例としては、オフ期の宿泊料金を割引することが考えられる。

以上のように、観光客に悩まされている方々がいることを認識しなければならない。G20が宣言したように、観光客と地域社会が同じレベルで恩恵を受けることが望ましい。どちらかだけが先走らないように、行政が規制をかけて、バランスを取る必要があるだろう。

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