羽田空港の新ルートで何が変わるのか

観光客が利用する移動手段の1つが航空機である。国内空港の中でも乗降客数が最も多い空港は羽田空港であり、その数は2位の成田空港の2倍以上である。世界で見れば、羽田空港の利用客数は5位である。存在感は大きい。その理由は、都心から近いことと、24時間稼働していることだろう。

政府は、より多くの訪日外国人を呼び込む目標のもと、2020年の東京オリンピック・パラリンピックを前に、羽田空港の国際線の離発着回数を増加させようと計画している。

具体的には、南風の際の発着の方向を変える。次の画像の通り、変更後の着陸は都心側から行い、離陸は海側へ行う。

出典:http://www.mlit.go.jp/koku/haneda/
(以下同様)

これにより、1時間あたりの発着回数を現行の80回から90回まで増やせるという。これに伴い、次の画像のように、国際線の年間発着回数は3.9万回増える。旅客者数は705万人増える。これにより、訪日外国人の大幅な増加にも対応できるのである。

しかし、新ルートによって新たな問題も生じる。それが騒音や落下物の問題だ。次の画像の通り、新ルートは都心の上空を通る。

政府は防止措置を徹底するという。

政府は、オリンピック・パラリンピックよりも前に新ルートを稼動させたい考えだ。新ルートによって一層多くの外国人が日本を訪れるのは観光産業としては好ましい。しかし、そのために地域住民の安全や平穏が脅かされるのは行き過ぎだろう。政府は地域住民との対話を行うようなので、十分に地域住民の理解を得た上で計画を進めてもらいたい。

関連記事

  1. [コロナウィルス]経営面での対応策

  2. 日韓関係の悪化で、長崎県が国に支援を要請

  3. 旅館の後継者、首都圏から呼び込む

  4. モバイル型ロボットで教育旅行

  5. 旅行プランの相談料を有料化する流れ

  6. 宿泊業界で初!在留資格「特定技能1号」の合格者

  7. 旅行業界での働き方改革

  8. オーバーツーリズムに対する自治体の取り組み

  9. 在留資格に旅行業を追加する提言

  10. [観光庁]宿泊業はどのように生産性向上を行えばいいのか

  11. 宿泊税反対へ

  12. 宿泊業に必須となるホスピタリティサービス工学とは

  13. 無断キャンセル問題をどう解決するか

  14. [旅行業協会]新型コロナウイルス対応ガイドラインを策定

  15. 観光客と地元住民が共存できる社会

  1. 6月の企業物価は2.9%増!物価高騰を背景に上場企業の純利益は過去最…

    2025.07.11

  2. オフィスの空室率と賃料は共に改善!オフィス系J-REITを購入して配…

    2025.07.10

  3. 6月の日銀短観で製造業は不調も不動産業は好調!不動産業の株を購入…

    2025.07.09

  4. 経常収支は黒字でも貿易収支は赤字!円安圧力により訪日外国人数が…

    2025.07.08

  5. 5月の実質賃金は2.9%減!物価高騰を背景に上場企業の純利益は過去最…

    2025.07.07

  6. 東京23区の6月の消費者物価は3.1%増!物価高騰を背景に上場企業の純…

    2025.06.30

  7. 1-3月期のインバウンド消費額は前年同期比28.4%増の2.2兆円!ホテル…

    2025.06.29

  8. [2025年5月]訪日外国人数369万人、5月として過去最高を更新

    2025.06.24

  9. [2025年4月]訪日外国人数390万人、単月で過去最高を更新

    2025.05.26

  10. [2025年3月]訪日外国人数349万人、過去最速で累計1,000万人を突破

    2025.04.17