日本政府観光局は2020年2月19日に、訪日外客数(訪日外国人数)の2020 年 1 月推計値を公表した(リンクはこちら)。今年は東京オリンピックとパラリンピックとが開催される節目の年である。同時に、訪日外国人数を4000万人以上にするという大きな目標を掲げた年でもある。1月はその最初の月であるため、訪日外国人数がどうなったかが注目されていた。
公表内容の概略は次の通り。
・2020 年 1 月の訪日外客数は、前年同月比 1.1%減の 266 万 1 千人。4 か月連続で前年同月を下回った。
・韓国からの訪日外国人数が前年同月比 59.4%減少した。
・中国からの訪日外国人数は前年同月比で22.6%増加した。新型コロナウイルスの影響で中国政府が団体ツアー及び航空券とホテルのパッケージ商品の販売を禁止したのは1 月 27 日。その影響は翌月に出る見通し。
・次の表の通り、韓国とドイツ以外からの訪日外国人数は前年同月比で増加した。

以上の通り、訪日外国人数は前年同月を下回っている。このままでは、訪日外国人数を4000万人以上にするという目標を達成することは非常に困難だろう。
中国からの訪日外国人数は前年同月比で増加したが、これはまだ新型コロナウイルスの影響がない状態の数値である。翌月からは訪日外国人数の激減が予想される。
以上の通り、韓国と中国を中心として、訪日需要の先行きは明るくない。政府観光局は、訪日旅行プロモーションに取り組むことを表明している。しかし韓国と日本との政治的関係が冷えたままであるし、中国の新型コロナウイルスの感染者数は増加し続けている。このため、訪日プロモーションにより事態を劇的に打開することは難しいと考えられる。暗雲が立ち込めていると言って間違いないだろう。