2019年の夏が来た。ビーチリゾートに旅行する人も多いだろう。ビーチリゾートとして思いつく場所は沖縄とハワイだ。
2018年の観光客数を比較すると、両者とも1000万人弱だ。観光客1人が1日に支払う金額も2万円強であり、ほぼ同じである。
このように似ている点が多いにもかかわらず、平均滞在日数はハワイの8.94日に対し、沖縄は3.75日である。大きく差がついているのだ。これが観光収入の差に結び付いており、ハワイの約1.9兆円に対し、沖縄は約7000億円にとどまる。
その一因として考えられるのは、ハワイの主な観光客であるアメリカ人が日本人と比較して長期の休暇を取ることが挙げられる。しかし日本人観光客だけに着目しても、沖縄での滞在よりもハワイでの滞在が長いようだ。日本人は長期休暇を取らない傾向があるにもかかわらず、多忙なスケジュールの合間をぬってでもハワイに行くのである。そこまでしてハワイが観光客を惹きつける真の理由は何であろうか。それはビーチと商業施設の近接性ではないだろうか。
具体的に説明すると、ハワイの場合、ビーチと商業施設が近接している。このため、ショッピングを楽しんだついでに海に入るといった楽しみ方が容易だ。一方で沖縄の場合、商業施設が集中する国際通りはビーチから離れている。このため、ショッピングも海も一気に楽しむという遊び方がしにくい。
日本人観光客にハワイと沖縄で評価できる点を聞くと、ハワイは「気候や雰囲気の良さ」なのに対し、沖縄は「海の美しさ」となっている。つまりハワイはビーチや商業施設を含めて総合的に雰囲気を楽しめる空間であるのに対し、沖縄はビーチを楽しめる空間にとどまっているのだ。
以上のように、ハワイと沖縄には差がある。沖縄の観光を盛り上げるにはその差を解消することも一案である。しかし、沖縄には琉球文化という独特な文化がある。これを取り上げて魅力を発信することも、その差を解消するための手段になるだろう。多面的なアプローチによって、日本の観光産業を盛り上げていきたい。
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