人手不足が叫ばれるようになって久しい。政府は、2019年4月に新たな在留資格である「特定技能1号」を設けた。この制度は外国人技能実習制度とは異なり、「日本語能力」と「技能」(即戦力)を要求する。合格した外国人は原則として正職員となり、日本人と同等以上の報酬を得ることもできる。転職も可能だ。
合格するには試験に合格しなくてならない。試験問題は、宿泊業で必要とされる技能や知識である「フロント業務」「広報・企画業務」「接客業務」「レストランサービス業務」「安全衛生その他基礎知識」の5つのカテゴリーより出題される。日本の旅館・ホテルでの業務に従事するための技能レベルが確認される。
試験は筆記と実技に分かれる。筆記試験は真偽法による30問が出題される。例えば「ホテルのチェックインとチェックアウトの時間は、法律で定められている。○か×か。」という問題が出される。なお正解は×である。一方で実技試験は上記のカテゴリーより、現場を想定した実際の対応能力が試される。
この制度に宿泊業で初めて合格したのがベトナム人である。就労先は奈良県内の宿泊施設のようだ。
この制度によって人手不足が解消されることは現場にとってはメリットであると思う。一方で、既存の社員とのコミュニケーションが上手くいかなかったり、日本人の雇用が奪われてしまうというデメリットもあるだろう。しかし、改革によってデメリットが発生することは避けられない。メリットの方が大きくなるように、政府には制度を運用して行ってもらいたい。
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