新型コロナウイルスが私達の生活を変えている。そこで当社は、コロナ禍で宿泊、航空、観光などの業界に携わる個人にスポットを当て、インタビュー特集を実施している。今回は、現役の客室乗務員の女性に話を伺った。
[回答者]
lala(20代後半女性)
[職歴]
2014年~2015年 日系航空会社勤務
2016年~現在 外資系航空会社勤務
──コロナ前の業務内容を教えて下さい
コロナ前の業務内容は、航空機内での航空保安業務とサービス業務にあたることでした。担当する路線は、主に日本の成田空港ならびに羽田空港を発着する国際線で、月に3~4本程度乗務していました。 具体的な業務内容として、保安業務では、機内の様子を監視したり、体調不良者の救急看護などをしたりしていました。また、サービス業務では、お客様へ飲食物の提供をしたり、機内の美化に努めたりするほか、通訳業務なども行っていました。
──コロナ禍での業務内容の変化、客層(国籍、性別、年齢)の変化、空港の変化、出勤頻度の変化、ご自身のライフスタイルの変化等を教えて下さい
コロナ禍で業務内容は大きく変化しました。サービスは簡素化され、お客様との接点を徹底的に減らしたほか、消毒や清掃業務に力を入れるようになりました。現在は、サービス品数を減らしたり、内容を一部変更したりしてサービスをしていますが、最も規制の強かった春頃は、ほとんど何もサービスしない時期もありました。
客層としては、ビザ失効のため自国へ帰る外国人や、駐在先からの帰任命令が出たビジネスマンとその家族がほとんどでした。たまに、出張や駐在のため、厳戒態勢で乗ってこられるビジネスマンもいましたが、こんなに大変な時期でも出張や転勤があるなんて、ブラック企業に勤めているのかな…というのが正直な感想でした笑。
空港は、利用客が激減したため、今まで見たことがないくらい静かで落ち着いています。出発・到着機の案内には、CANCELの赤い文字がズラーッと並び、とても異様な光景でした…。
出勤頻度は、減便に伴い大幅に減りました。自宅待機やホテルでの隔離などが多いため、出社機会は1か月あたり1回あるかどうかなので、オフィスへの行き方を忘れそうになることもあります笑。
自身のライフスタイルの変化としては、お金と今後の人生プランについてよく考えるようになりました。お金に関しては、固定費の見直しを徹底したり、買い物の質を下げたりすることで、収入減をカバーしようと工夫しています。今までは時間がないことを理由に避けてきましたが、ちょうど良い機会だと思い、無駄がないかどうか固定費を一つひとつ見直して、検証してみました。
人生プランについては、今後の生活にかかる費用を計算し、恋人と結婚のタイミングについてよく相談するようになりました。おそらくコロナ前の状態に戻るまでには数年かかると言われているので、それまでどうやって生活していくかを模索しています。
──給与・賞与への影響を教えて下さい
給与への影響はとても大きく、昨年に比べて大幅な減額となりました。フライト数が圧倒的に減り、会社も経営難に陥っているので仕方ないことですが、家族がいるクルーにとっては大打撃です。職種を問わず、社員全員が減収となっている状況で、回復の目処は立っていません。また、賞与への影響も同様に大きく、年2回ある賞与は、今年度上期に少額支払われたものの、下期以降は全く予想不可能と言われています。
──今後の転職予定の有無を教えて下さい
現段階では、転職予定はありません。ですが、このままコロナウイルスの流行が収まらないのであれば、いつレイオフ(一時解雇)されてもおかしくないので、何とも言えません。
──ご自身の現状や将来についての所感を教えて下さい
自身の現状としては、乗務機会が著しく減少し、収入も減った代わりに、休日がとても増えました笑。時間に追われることがなくなったので、心に余裕ができ、自宅の掃除や副業が捗るようになりました笑。希望退職者には手を挙げませんでしたが、いつレイオフされてもおかしくない状況なので、心の準備だけはしておこうかなと思っています。
将来についての所感は、正直なところ全く分かりません笑。もともと不安定な職種なうえに、今はどの業界も大変な状況なので、仕方ないかな…とも思います。たとえ今回レイオフになったとしても、何かしらの仕事に就くことはできるので、先の読めない状況でも前向きに生きていこうと考えています!
──どうもありがとうございました
【制作】ジャパンプランナーズ株式会社
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