森ビルのシンクタンクである森記念財団の都市戦略研究所は、2019年9月10日に、日本の都市特性評価2019を発表した。
これは、日本の各都道府県における主要都市を対象として、都市の力を定量・定性データをもとに相対的且つ多角的に分析したものである。対象都市は主要72都市と東京23区である。この記事では、主要72都市のランキングを紹介する。
主要な評価の項目は次の通り。
○経済・ビジネス(経済規模等)
○研究開発(研究開発結果等)
○文化・交流(交流実績等)
○生活・居住(健康・医療等)
○環境(自然環境等)
○交通・アクセス(移動の容易性等)
ランキングの上位3都市は次の通りである。
●3位 大阪市
昨年と同様、経済・ビジネス、交通・アクセス、文化・交流の点で評価が高かった。特に、経済規模や雇用・人材の規模が大きいことが評価を押し上げ、経済・ビジネスの点ではトップであった。
●2位 福岡市
アジアのリーダー都市を目指す福岡市は、経済・ビジネスの点で非常に評価が高い。また、住みやすい都市として、生活・居住の点でも評価が高かった。
●1位 京都市
文化・交流の点で評価がトップであった。特に、「受入環境」の点では、観光案内所や病院の多言語対応や、高級宿泊施設の客室数のスコアが高かった。また、研究・開発の点でも安定的なスコアが目立った。
以上のようなランキングであるが、京都市の「文化・交流」は抜きん出ている。これは、歴史的な文化財があるだけでなく、それを目当ての観光客を受け入れるだけの体制を整えているからであろう。京都府には国際空港が無いにもかかわらず、トップになったことは特筆すべきである。訪日外国人の数を増やすためには、京都市の取り組みを他の都市にも共有していく必要があろう。
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