無断キャンセル問題をどう解決するか

栃木県の那須塩原や日光エリアの宿泊施設(ホテル・旅館)で、同一名義人の男性が複数予約を行った上に、無断キャンセルを行った。無断キャンセルされたのは7施設。更にその男性と同一グループとみられる別の人物も1施設を予約していた。計8施設での被害額は計約300万円にも上ると見られる。予約日は正月三が日という「かきいれ時」だった。施設側は法的手続きを検討している。

当然、同一人物が同時に複数の施設に宿泊はできない。上記の行為は非常に悪質だ。

無断キャンセル問題は今に始まった問題ではない。このような行為は「ノーショー」とも呼ばれ、業界全体で問題になっている(以前の記事はこちら)。泣き寝入りする施設も多い。

では、キャンセル料を請求すれば良いのでは、という指摘がある。しかしキャンセル料を請求しようにも手間や費用がかかるし、悪質なユーザが素直にキャンセル料を払うとは思えない。

性善説に立って宿泊者を信頼したい気持ちはやまやまだが、現実はそうはいかない。このため、宿泊施設としては自衛を行う必要がある。例えば下記のよう選択肢がある。

1.Cansellパートナープログラムの利用
以前の記事(リンクはこちら)でも紹介したが、このプログラムは、キャンセル料保証を行っている。つまり、キャンセル料の回収が困難な場合は、キャンセル料の一部を無料で保証してくれる。

2.申込金・前金の徴収
現在、ディズニーホテルでは、予約時に申込金を徴収している。その理由は、無断キャンセルをされてしまうと売上機会を逃してしまうというだけでなく、それに連動してディズニーランドやディズニーシーへの来場者が減ってしまうからだ。

3.クレジットカード情報の取得
予約時に宿泊客からクレジットカード情報を取得するのは欧米では一般的だ。仮に無断キャンセルをされてしまっても、クレジットカードからキャンセル料を徴収することができる。 JCBの調査(リンクはこちら)によれば、日本人のクレジットカードの保有率は84%だ。 そのため、この方法を採用することのハードルはそれほど高くはないだろう。

以上3つの方法を見てきた。上記の方法2と3は、予約行為を萎縮させてしまうのではという指摘もある。しかし、宿泊施設はボランティアで運営されているのではない。少ない人数と薄利で何とか業務を回している宿泊施設もある。施設に合った自衛策を取って、繁盛してもらいたいものである。

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