新型コロナウイルスにより旅行業が大きな影響を受けている。日本旅行業協会は、自粛によって次のような影響が出ていることを公表した。
・2020年3月と4月の旅行会社の予約状況が前年比で約30%と大きく落ち込んでいる。
・毎月1.5兆円の旅行消費が消失している。
日本旅行業協会は自民党と公明党に対し以下の要望(詳細はこちらのリンクを参照)を行った。
【要望の概略】
1.雇用調整助成金の助成率の引き上げと支給限度日数の延長
①助成率:大企業では1/2から2/3へ。中小企業では2/3から4/5へ。
②支給限度日数:100日から200日へ。
2.感染リスクを下げる対策のもとで、旅行・イベントの自粛要請の解除
3.修学旅行の延期と、学校側に取消料が生じる場合の財政支援
4.需要回復キャンペーンの実施
5.国際交流を蘇らせるための国際的な仕組みつくり(出国時の検温、健康チェックなど)
上記の通り、毎月1.5兆円の旅行消費が失われている。このため旅行業界は危機感を募らせている。しかし新型コロナウイルスの大規模感染を防ぐという観点では、旅行は自粛すべきだろう。
上記の2と4と5は、旅行自粛の流れと逆行するおそれがある。一方でこのまま旅行者が減少を続けるなら、現場で働く方たちの収入減やそれに伴う社会の混乱は避けられない。それを阻止するためには上記の1と3は有効だろう。
新型コロナウイルスの問題は現場の努力だけでは乗り切れない。政府には可能な限りの支援をお願いしたいところである。
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