政府の観光振興策である「GoToトラベル」キャンペーンに対し、2020年10月1日に東京発着の旅行が追加された。このキャンペーンは、東京を除外して今年7月末に開始された。しかし今回の追加により、対象地域は全国となった。
同時に、旅行先などで使える「地域共通クーポン」も利用できるようになった。このクーポンは1000円単位だ。旅行代金の15%相当がクーポンとして発行される。旅行先とその隣接都道府県のクーポン参加事業者で利用できる。
Go To トラベルキャンペーンの利用実績は、割引での商品販売が始まった7月27日から8月27日までの1カ月間で、少なくとも約556万人泊に達した。東京が追加されることによって、このペースは加速すると思われる。
しかし課題も生じている。このキャンペーンでは旅行代金の35%が割引され、15%が地域共通クーポンとして付与される。つまり旅行代金の半額が補助されるわけだ。1泊旅行の場合の補助代金の上限は2万円であるため、その上限いっぱいの恩恵を受けようという利用者心理の結果、比較的高額な宿泊施設に人気が集中しているようだ。この結果、お手頃価格の宿泊施設がキャンペーンの恩恵を十分に受けられていないというのだ。不公平感の払拭が求められる。
そして何よりも、新型コロナウイルスの感染拡大を回避できるかが課題となる。旅行者や事業者には、一層の感染防止対策が求められる。
以上のようにGo To トラベルキャンペーンは、期待と不安をもたらしている。不安の払拭のためには、政府だけでなく国民も一丸となってキャンペーンを推進していく必要があるだろう。
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